ウェスタン・エレクトリックのインプット・トランス６１８Ｂのレプリカ・トランスを用いて、独自のアイデアを加味して、新たにケースに組み込んだＭＣ昇圧用トランスです。このウェスタン・エレクトリックのレプリカの６１８Ｂトランスは、ダイキャスト・ケースによりハーメチック・シールドが施され、外部誘導雑音に対しても十分な音響レベルが得られるように設計されたもので、米国製の業務用の高級インプット・トランスが内蔵されたものと聞いており、ケース上部には、ＩＮＰＵＴ ＴＲＡＮＳ ６１８Ｂが黒色で印刷され、ケース側面には、Ｗｅｓｔｅｒｎ Ｅｌｅｃｔｒｉｃのディケールが貼付されています。業務用のインプット・トランスが内蔵され、オルトフォンのＳＰＵ、ＥＭＴ、デンオンＤＬ１０２、１０３等、ほとんどのＭＣカートリッジに使用可能な昇圧比が得られます。ＲＣＡピン・ジャック等の外装部品は、金メッキされた高級品を使用し、本体ケースにつきましても、非磁性体のアルミ製のものを使用して電磁的な誘導にも対処いたしました。また、プラグ等へのリード線のハンダ付けは、日本アルミット株式会社の非塩素系ハンダＫＲ－１９を使用することにより、塩素による接合部分の経年変化を極力防止するとともに音質の向上を図っています。本トランスのアルミ本体ケース（シャーシ）は、オリーブ・グリーン色が少し感じられる落ち着きのあるブラック仕上げとしています。音質的傾向といたしましては、国産トランスと比較した場合、国産トランスは、一聴すると癖が無く、破綻のない綺麗な音質だと思いますが、長く聴いていると無機質な音質だと感じるようになることがあります。むしろ、こうした米国製の実績のあるメーカーの業務用トランスの使用は、特性的にどうであれ、幾らか良い意味での音質的な個性を有し、聴感上の音の厚みや音楽に自然な温もりを醸し出し、ボーカル等もより肉声に近く生々しさがあり、生き生きとした音楽表現を奏でる音質的な魅力を備えているように感じます。既成のメーカー品とは一味違う、アナログ・オーディオの愉しさや魅力を余すことなく引き出し得るＭＣ昇圧用トランスと言えるかとも思います。今日では、ウェスタン・エレクトリックのオリジナルのトランスが高騰し、オーディオ用途の状態の良いものが入手困難となってしまっていますが、このレプリカの６１８Ｂトランスは、音の厚み、低域の分解能、音域バランスの良さ、音場の立体的な再現性に優れ、オリジナルと比較してそれほど遜色のない魅力を備えたものと言えるかと思います。このウェスタン・エレクトリックのレプリカの６１８Ｂトランスは、私が趣味で自作アンプのインプット・トランスとして使用する計画に基づき、約１７～１８年程前に購入していたものを使用して、新たにＭＣ昇圧用トランスとして製作したものです。発送については、ゆうパックでの発送となります。